
国際会計論の授業はどういった人が学ぶといいのかな?難易度は?
国際会計論とは日本以外の会計基準についての授業です。
大学によって異なりますが、国際財務報告基準(IFRS)設定の歴史、性質(日本基準との比較)、日本の概念フレームワーク等について解説をすることが多いようです。
このページでは参考資料、参考文献とともに適正レベルと国際会計論の内容について述べたいと思います。
このくらいのレベルの人が学ぶといいよ
簿記1級相当あると望ましいです。
ただ、授業内容が詳しい会計処理まで学ばないのであれば簿記2級レベルでもOK。筆者が授業を受けたときは2級+αレベルでした。
簿記1級相当が望ましいといったのは、退職給付会計や税効果の話なども出てくるから。欲を言えば、財務会計論等理論の授業を履修済みか会計学の本を読むとベター。
なぜなら、資産負債アプローチというものが出てくるから、その概念だけでも知っておくとスムーズかと。
筆者の大学ではIFRSの仕訳はほとんど習わなかったが、大学によっては習うところもあるかもしれません。
ただ、本格的な仕訳(=財務諸表作成)ではなく、単純な仕訳にとどまると思います。
筆者の定期試験は国際財務報告基準の○○の特徴について述べよ、のような論述試験で仕訳はでませんでした。
参考資料、文献が難しいと感じたら、遠慮なく大学の先生に聞くべきです。会計初心者にはとっつきにくいところが多いと感じました。
特に長い正式名称と略字については慣れるまでは混乱すると思います。紙にまとめておくことをオススメします。
国際財務報告基準(IFRS)設定との歴史
1973年~
アメリカの発明品ではありません。複数国が合同で作りました。
国際会計基準委員会(IASC)が国際会計基準(IAS)の作成をおこないます。
※国ごとにばらばらの会計基準だと、国間での比較がしづらいよね、というのが理由。
2001年
国際会計基準委員会(IASC)→国際会計基準審議会(IASB)と改組。以降、国際会計基準審議会(IASB)は国際財務報告基準(IFRS)の改訂、開発を行っていきます。
国際財務報告基準(IFRS)は国際会計基準(IAS)より広い、発展した概念と覚えてもらえればよいです。(以下:IFRS)
2005年
EU内で共通した会計基準としてIFRSを採用。EU内の上場企業にIFRS適用を義務づけました。
これ以降、IFRSと米国基準、IFRSと日本基準のすり合わせ(コンバージェンス)を行っていきます。
近年、日本の会計基準の改正が頻繁なのは主にこのコンバージェンスの影響が理由です。
国際財務報告基準(IFRS)と日本の会計基準との相違点
授業内でIFRSと日本基準の違いを学びます。とても大事なので覚えてください。
試験でも日本基準では○○だが、IFRSでは○○といった特徴がある、というように問われると思います。
・BS、PL等財務諸表の名称や内容が異なります。
・公正価値(≒時価)の概念が異なります。
・連結分野で支配の概念や連結範囲が異なります。
・企業結合も同様に。
他も細かいところがたくさん異なるので、先生が授業中に指摘したところを重点的に覚えてください。そこから試験に出ます。
日本の概念フレームワーク 「財務会計の概念フレームワーク」
(昔からの)日本基準…企業会計の実務慣行のなかから一般に公正妥当と認められたところを要約する(帰納的アプローチ)方式を採用。
一方、
①国際会計基準審議会(IASB)(+アメリカ)で概念フレームワークを採用しているし、
②昔からの帰納的アプローチでは問題点が出てきたため、討議資料として日本でも採用しました。

なにこれ?
→企業会計の基礎概念をまとめ、体系化したものです。この概念フレームワークを参考に(日本の)会計基準を作ってください、と定めたものです。
帰納的アプローチの問題点
シンプルに言うなら、実務慣行のなかから要約をしているために、今までの実務慣行にない新しい概念が出てきたら対応できない ということ。
その他重要単語
コンバージェンス…自国の基準をIFRSに近づけること
アドプション…IFRSを自国の基準として採用すること。こちらを採用する国が多いです。
資産負債アプローチ…利益はBS由来(純資産変動)で求めます。包括利益
収益費用アプローチ…利益はPL由来で求めます。当期純利益
※日本基準はもともと収益費用アプローチを採用していました。
一方、IFRSは資産負債アプローチを採用しました。コンバージェンスをすすめるなかで、日本基準はだんだんと資産負債アプローチを取り入れるようになりました。
※上場企業は2010年から日本の会計基準の他にIFRSを適用することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?最初の授業を受けてみて、自分のレベルに合っているようでしたら受けてみることをおススメします。
筆者にとっては、楽単ではありませんでしたが、興味深い授業でした。
授業を受けるにあたって、内容が難しいと感じたら基礎本、入門本を買ってみてはいかがでしょうか?
将来、IFRSを採用している企業に関わるならば、一冊は持っていてもいいと思います。
(Amazon)
参考資料、参考文献
出典:金融庁ウェブサイト(2019年6/11閲覧)
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