現金過不足 日商簿記3級
現金過不足の論点は、借方と貸方のどちらに書くかいつも迷うんだよね… 教えて!
現金過不足の論点は、借方と貸方のどちらに書くかいつも迷うんだよね… 教えて!
「現金過不足」――企業の財務管理において、見逃してはならない重要なポイントです。
様々な原因によって生じる現金過不足は、適切に処理しないと企業の信用や経営状況に大きな影響を与えかねません。日商簿記3級の受験生や実務者にとっても、この問題を理解し、適切な対策を講じることが求められます。
本記事では、現金過不足の概念から原因、処理方法までをわかりやすく解説します。現金過不足に関する知識を身につけ、日商簿記3級試験に臨むだけでなく、現場での現金管理にも役立てましょう!
現金過不足とは、企業の現金管理において、実際の現金残高と簿記上の現金残高が一致しない状況を指します。このような状況が発生すると、企業の財務管理に問題が生じる可能性があります。現金過不足は、現金が不足している場合と過剰になっている場合の2つに分類されます。
具体例を挙げて説明しましょう。
例1)現金が不足している場合
ある小売店で、売上金を集計した際に、レジの実際の現金が簿記上の現金残高よりも2,000円少なかったとします。この場合、現金が不足しているため、現金不足が発生していると言えます。原因としては、レジの誤差や盗難、誤ってお釣りを多く渡してしまったなどが考えられます。
例2)現金が過剰になっている場合
上記の小売店で、別の日に売上金を集計した際に、レジの実際の現金が簿記上の現金残高よりも3,000円多かったとします。この場合、現金が過剰になっているため、現金過剰が発生していると言えます。原因としては、売上金の計上漏れや、お釣りを渡す際に誤って少なく渡してしまったなどが考えられます。
現金過不足は、企業の財務状況や信用に影響を与える重要な問題です。適切な現金管理や内部統制を行うことで、現金過不足を未然に防ぐことが可能です。また、日商簿記3級では、このような現金過不足に関する知識が試験対象となるため、しっかりと理解しておくことが重要です。
まずは問題文を読んでみましょう。わからなければ、上から順番にクリックしていきましょう。最後に解答解説を読んで理解してください。
問題→ヒント1→ヒント2→解答→解説
ボタンをクリックすると表示されます。
最終的には、ヒントなしで解答仕訳を思い出せるようになりましょう。
解答…一般的な解答
解説…ぼすとん(筆者)おすすめの考え方、覚え方
8-1-1.現金実際有高を調べたところ、100円で帳簿残高125円より25円不足していることが分かった。
ヒント1:現金( )、現金過不足( )
ヒント2:現金(資産)、現金過不足(資産負債)
現金過不足 25 現金 25
帳簿残高を実際の現金残高に合わせます。
借方(左):今は原因がわからないため、仮の勘定として現金過不足勘定を使います。
貸方(右):実際の残高の方が 帳簿より少ないため 現金(資産)の減少で処理します。
1.「現金」実際有高を調べたところ、100円で①②「帳簿残高125円より25円“不足”」していることが分かった。
勘定科目:①現金、②現金過不足
2.「実際」が「帳簿」より少ないため、帳簿の金額を減らします。よって、〇〇/現金
「今まで帳簿上に仕訳してきた数値」が間違っていたため、実際の金額に合わせます。
3.現金過不足/現金
8-1-2.現金過不足勘定25円(借方残高)の原因を調べたところ、買掛金の支払額25円の記帳漏れが判明した。
ヒント1:現金過不足( )、買掛金( )
ヒント2:現金過不足(資産負債)、買掛金(負債)
買掛金 25 現金過不足 25
現金過不足の原因が分かったためその勘定に振り替えます。
借方(左):買掛金の支払いであるため、買掛金(負債)が減少します。
貸方(右):現金過不足勘定を相殺します。
1.「①「現金過不足」勘定25円(借方残高)の原因」を調べたところ、「②「買掛金」の支払額25円の記帳漏れ」が判明した。
勘定科目:①現金過不足、②買掛金
2.②買掛金の支払いをしたため、買掛金/〇〇(1-1-3参照)
3.買掛金/現金過不足
8-1-3.現金の実際有高を調べたところ140円で、帳簿残高125円より15円多いことが分かった。
ヒント1:現金( )、現金過不足( )
ヒント2:現金(資産)、現金過不足(資産負債)
現金 15 現金過不足 15
帳簿の残高を実際の現金残高に合わせます。
借方(左):実際の残高の方が上部より多いため現金(資産)の増加で処理します。
貸方(右):今は原因がわからないため、仮の勘定として現金過不足勘定を使います。
1.「現金」の実際有高を調べたところ140円で、①②「帳簿残高125円より15円多い」ことが分かった。
勘定科目:①現金、②現金過不足(8-1-1参照)
2. 「実際」が「帳簿」より多いため、帳簿の金額を増やします。よって、現金/〇〇
「今まで帳簿上に仕訳してきた数値」が間違っていたため、実際の金額に合わせます。
3.現金/現金過不足
8-1-4.現金過不足勘定15円貸方残高の原因を調べたところ売掛金の回収額15円の記帳漏れが判明した。
ヒント1:現金過不足( )、売掛金( )
ヒント2:現金過不足(資産負債)、売掛金(資産)
現金過不足 15 売掛金 15
「〇〇円少なかったため、現金過不足として処理していたが、〇〇の記入漏れが判明した」
→こういうときは現金過不足/現金の仕訳がすでに行われていたと考えます。
借方(左):現金過不足勘定を相殺します。
貸方(右):売掛金の回収なため売掛金(資産)が減少します。
1.「①「現金過不足」勘定15円貸方残高」の原因を調べたところ、「②「売掛金」の回収額15円の記帳漏れ」が「判明」した。
勘定科目:①現金過不足、②売掛金
2.売掛金を回収したため、〇〇/売掛金(1-2-3参照)
3.現金過不足/売掛金
現金過不足は企業の財務管理において重要な問題です。適切な対策を行うためには、現金過不足が生じる主な原因を理解することが不可欠です。ここでは、現金過不足が生じる主な原因として、ミスや盗難などを挙げて説明します。
現金過不足の原因の一つとして、従業員や経理担当者の人為的ミスが挙げられます。例えば、売上金の計上漏れ、お釣りの計算ミス、現金の仕訳ミスなどがあります。人為的ミスは、業務の繁忙期や疲労がたまった状態で作業を行っている場合に発生しやすいため、十分な休憩や作業の見直しを行うことが重要です。
現金が不足する原因として、盗難が考えられます。従業員による横領や外部犯罪者による窃盗が該当します。盗難を防止するためには、現金管理の徹底や防犯カメラの設置、従業員の教育などの対策が必要です。
無記帳売上とは、故意に売上を記録しない行為です。これが行われると、現金過不足が生じる可能性があります。無記帳売上を防ぐためには、適切な売上管理や経理監査を行うことが重要です。
未収金や未払金の計上漏れがある場合、現金過不足が発生することがあります。適切な未収・未払金管理と、定期的な照合作業を行うことで、現金過不足を防ぐことができます。
現金の出納管理が適切でない場合、現金過不足が発生することがあります。例えば、現金の収納場所が不適切であったり、現金の移動が適切に記録されていなかったりすると、現金過不足が起こりやすくなります。現金管理の徹底と、定期的な点検を行うことが現金過不足の防止につながります。
預金通帳の記載ミスや、振込・振替の手続きミスも、現金過不足の原因となります。定期的に銀行との照合作業を行い、適切な記録がされているか確認することが大切です。
以上のように、現金過不足が生じる主な原因は多岐にわたります。企業は、これらの原因を理解し、適切な対策を講じることで、現金過不足を防止することができます。また、日商簿記3級の試験対策としても、現金過不足の原因や対策を理解しておくことが求められます。
本記事では、日商簿記3級において重要なトピックである「現金過不足」について解説しました。現金過不足の概要から仕訳、原因と対策まで、幅広い観点から理解を深めることができました。
これらの知識をしっかりと身につけ、現場での現金管理や日商簿記3級試験に役立てていくことが大切です。
最後に、現金過不足に対する適切な対策と処理方法を習得することで、企業の財務管理をより安定させることができるという点を忘れずに、今後の学習や実務に取り組んでください。
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