給料の仕訳は社会保険料や税金を考える必要があって、複雑だね。どうすればいいのかな?
まずは問題文を読んでみましょう。わからなければ、上から順番にクリックしていきましょう。最後に解答解説を読んで理解してください。
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最終的には、ヒントなしで解答仕訳を思い出せるようになりましょう。
解答…一般的な解答
解説…ぼすとん(筆者)おすすめの考え方、覚え方
立て替え
7-1-1.従業員使用の支払い100円を会社の現金で支払った。
ヒント1:従業員立替金( )、現金( )
ヒント2:従業員立替金(資産)、現金(資産)
従業員立替金 100 / 現金 100
借方(左):「一時的に会社が立て替えたため、将来金銭を受け取ることができる権利」であるから、従業員立替金(資産)の増加で処理します。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
1.①「従業員使用の支払い」100円を会社の②「現金」で①「(会社が)支払った」。
勘定科目:①従業員立替金、②現金
①会社が立て替えたということ
2.②現金で支払ったため、〇〇/現金
3.従業員立替金/現金
立替金の回収
7-1-2.従業員より先日立て替え払いした100円を現金で回収した。
ヒント1:従業員立替金( )、現金( )
ヒント2:従業員立替金(資産)、現金(資産)
現金 100 / 従業員立替金 100
借方(左):現金を受け取ったため、現金(資産)の増加です。
貸方(右):「一時的に会社が立て替えたため、将来金銭を受け取ることができる権利」が減るため、従業員立替金(資産)の減少で処理します。
1.従業員より①「先日立て替え払い」した100円を②「現金で回収」した。
勘定科目:①立替金、②現金
2.②現金で回収した(現金が増えた)ため、現金/〇〇
3.現金/立替金
預かった
7-1-3.従業員の現金100円を一時的に会社の金庫に預かった。
ヒント1:現金( )、従業員預り金( )
ヒント2:現金(資産)、従業員預り金(負債)
現金 100 / 従業員預り金 100
借方(左):現金を受け取ったため、現金(資産)の増加です。
貸方(右):「一時的に会社が預かっているため、将来金銭を支払う義務」であるため、従業員預り金(負債)の増加で処理します。
1.従業員の①「現金」100円を②「一時的に会社の金庫に預かった。」
勘定科目:①現金、②従業員預り金
2.①現金を一時的に預かった(現金が増えた)ため、現金/〇〇
3.現金/従業員預り金
預り金の返金
7-1-4.従業員より預かっていた現金100円を返金した。
ヒント2:従業員預り金(負債)、現金(資産)
従業員預り金 100 / 現金 100
借方(左):「一時的に会社が預かっているため、将来金銭を支払う義務」が減るため、従業員預り金(負債)の減少で処理します。
貸方(右):現金を相手に返金したため、現金(資産)の減少です。
1.①「従業員より預かっていた」②「現金100円を返金」した。
勘定科目:①従業員預り金、②現金
2.②現金を返金した(現金が減った)ため、〇〇/現金
3.従業員預り金/現金
給料の支払い
7-1-5.従業員に給料100円を現金で支払った。
ヒント1:給料( )、現金( )
ヒント2:給料(費用)、現金(資産)
給料 100 / 現金 100
借方(左):給料という費用の発生であるため、給料(費用)の増加で処理します。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
1.従業員に①給料100円を②現金で支払った。
勘定科目:①給料、②現金
2.②現金で支払ったため、〇〇/現金
3.給料/現金
給料の支払い②
7-1-6.従業員に給料総額1,000円を支給し、源泉所得税100円と社会保険料100円を控除した残額を現金で支払った。
ヒント1:給料( )、所得税預り金( )、社会保険料預り金( )、現金( )
ヒント2:給料(費用)、所得税預り金(負債)、社会保険料預り金(負債)、現金(資産)
給料 1,000 / 所得税預り金 100
社会保険料預り金 100
現金 800
借方(左):給料という費用の発生であるため、給料(費用)の増加で処理します。
貸方(右):(100円)国に収める額を一時的に預かっているに過ぎないため、所得税預り金(負債)の増加で処理します。
(100円)国に収める額を一時的に預かっているに過ぎないため、社会保険料預り金(負債)の増加で処理します。
(800円)残額を現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
1.従業員に①「給料総額1,000円を支給」し、②「源泉所得税100円」と③「社会保険料100円」を控除した④「残額を現金で支払った」。
勘定科目:①給料、②所得税預り金、③社会保険料預り金、④現金
★勘定科目や数値が複数出てくる問題は複雑です。試験では後回しにしましょう。
★実際の解き方は、数値から考えると比較的楽です。
まずは、等式を考えてみます。問題文の数値を使って
1000=100+100+800という等式を作ります。
(なお、「~控除した残額」は800円です)
借方か貸方のうち片方は「1000円の勘定科目」、もう片方は「100円、100円、800円の3つの勘定科目」ということがわかります。
勘定科目が1つしかない側、あるいは現金のようにわかりやすいところから埋めていくのがコツです。
2.給料勘定は費用であり、費用の発生は借方(左)である(基本パターンB参照)から、
給料1000/〇〇です。
ここで、1000円の勘定科目は借方ということがわかるから、
給料1000/〇〇100
/〇〇100
/〇〇800
と、貸方(右)の一部も判明します。
3.さらに問題文より800円を現金で支払ったから、
給料1000/〇〇100
/〇〇100
/現金800
と埋めます。
残っている2つの勘定科目は「所得税預り金」と「社会保険料預り金」であるから
給料1000/所得税預り金100
/社会保険料預り金100
/現金800
と仕訳が完成します。
※金額が100円で同じであるため、「所得税預り金」と「社会保険料預り金」の順番はどちらが先でもOKです。
所得税と社会保険料の納付
7-1-7.従業員の所得税の源泉徴収額100円と社会保険料の預り金100円に、企業負担100円を合わせて現金で納付した。
ヒント1:所得税預り金( )、社会保険料預り金( )、法定福利費( )、現金( )
ヒント2:所得税預り金(負債)、社会保険料預り金(負債)、法定福利費(費用)、現金(資産)
所得税預り金 100 / 現金 300
社会保険料預り金 100
法定福利費 100
借方(左):(100円+100円)一時的に預かっている額を国に納めた(納めるべき義務がなくなった)ため、所得税預り金(負債)の減少&社会保険料預り金(負債)の減少で処理します。
(100円)社会保険料の企業負担分を法定福利費(費用)として処理します。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
1.従業員の①「所得税の源泉徴収額100円」と②「社会保険料の預り金100円」に、③「企業負担100円」を合わせて④「現金で納付」した。
勘定科目:①所得税預り金、②社会保険料預り金、③法定福利費、④現金
2.「~100円と~100円に~100円を合わせて現金で納付」とあるから、現金で納付したのは300円です。
すなわち、100+100+100=300が成り立ちます。
借方、貸方のうち、片方が「100+100+100円の3つの勘定科目」、もう片方が「300円の勘定科目」です。
ここで問題文より、残額(300円)を現金で支払ったとあるから、
〇〇/現金300 です。
300円の勘定科目は貸方(右)とわかったため、
〇〇100/現金300
〇〇100
〇〇100
と借方の一部もわかります。
3. 所得税預り金(負債)、社会保険料預り金(負債)、法定福利費(費用)の3つの勘定科目を借方に埋めます。
所得税預り金 100 / 現金 300
社会保険料預り金 100
法定福利費 100
金額は100円で同じであるから、どの順番でもOKです。
さいごに
次回講義…現金過不足を借方・貸方のどちらに書けばよいか迷いませんか?
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