固定資産の仕訳が分からない!
固定資産は付随費用や売却、修繕など勉強することが色々で大変です。教えてください。
まずは問題文を読んでみましょう。わからなければ、上から順番にクリックしていきましょう。最後に解答解説を読んで理解してください。
問題→ヒント1→ヒント2→解答→解説
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最終的には、ヒントなしで解答仕訳を思い出せるようになりましょう。
解答…一般的な解答
解説…ぼすとん(筆者)おすすめの考え方、覚え方
①固定資産関係
土地の購入
5-1-1.土地1,000円を購入し代金は現金で支払った。
ヒント1:土地( )、現金( )
ヒント2:土地(資産)、現金(資産)
土地 1,000 現金 1,000
借方(左):土地を取得したため、土地(資産)の増加です。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
1.①土地1,000円を購入し②代金は現金で支払った。
勘定科目:①土地、②現金
2.②現金で支払った(現金が減った)ため、〇〇/現金
3.土地/現金
土地の購入&付随費用
5-1-2.土地1,000円を購入し代金は現金で支払った。
なお購入にあたって登記料手数料等の付随費用合計100円を現金で支払った。
ヒント1:土地( )、現金( )
ヒント2:土地(資産)、現金(資産)
土地本体
土地 1,100 現金 1,100
※土地1100=1000+100
土地1000/現金1000
借方(左):土地を取得したため、土地(資産)の増加です。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
付随費用
土地100/現金100
借方(左):付属費用は、今回は「土地」の勘定科目で処理します。土地(資産)の増加です。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
購入時の付随費用は取得原価(今回は土地)に含めます。
本体(土地)は当期だけではなく長期間使えます。
付随費用は本体を使えるようにするための費用であるため、当期」の費用にはしない方(資産にする)がより適切です。
付随費用は本体と比べて少額ですから、本体と同じ勘定科目(土地:資産)を使います。
★コラム★ 資産と費用のふんわりとしたイメージ 迷ったら参考にしてみてください。
資産(特に固定資産) 「多額(数十万円~)」「当期だけではなく、長期間使う」
例:建物(数十年は使える)、備品(高額なパソコンや机など)
費用 「少額(おおよそ10万円か20万円まで)」「当期だけ使う」「使ったらおわり(消えてなくなる)」など
例:消耗品「費」(ボールペン、消しゴムなど)、旅費交通「費」(鉄道、タクシーなど)
※どちらも、実体のある「モノ」だけではなく、目に見えない「サービス」も範囲に含まれます。例えば、著作権(資産)や通信費(費用)などです。
1.①土地1,000円を購入し②代金は現金で支払った。
なお購入にあたって登記料手数料等の③付随費用合計100円を④現金で支払った。
勘定科目:①土地、②現金、(③土地)、(④現金)
2.(①と②について)
②現金で支払った(減った)ため、〇〇/現金
3.(①と②について)
土地/現金
2.(③と④について)
④現金で支払った(減った)ため、〇〇/現金
3.(③と④について)
土地/現金
土地の売却
5-1-3.所有していた土地(帳簿価格1,000円)を1500円で売却し代金は現金で受け取った。
ヒント1:土地( )、現金( )、固定資産売却益( )
ヒント2:土地(資産)、現金(資産)、固定資産売却益(収益)
現金 1500 土地 1,000
固定資産売却益 500
借方(左):現金を受け取ったため、現金(資産)の増加です。
貸方(右):(1000円)土地を売却したため、土地(資産)の減少です。
(500円)差額500円は売却益(収益)として処理します。
1.所有していた①土地(帳簿価格1,000円)を1500円で売却し②代金は現金で受け取った。
(問題文に書いていないが、③利益は500円、と読み取れるとGOOD)
勘定科目:①土地、②現金、③固定資産売却益
※モノを売買すると利益や損失がでます。問題文に利益や損失の額はかかれていないこともありますが、忘れずに。
1000円のモノを1500円で売った。→500円の利益
※試算表や精算表では「固定資産売却益」と埋める問題が出されます。勘定科目のところが空欄になっています。
2. 1000+500=1500より 借方、貸方のうち、どちらかが「1000円の勘定科目と500円の勘定科目」、もう片方が「1500円の勘定科目」です。
②現金1500円を受け取っているのだから、
現金1500/〇〇となります。
ここで、1500円の勘定科目は借方(左)であるから、
現金1500/〇〇1000
/〇〇500 と貸方(右)の一部もわかります。
3.また、土地1000円を売却しているから、
現金1500/土地1000
〇〇500
となります。
4.最後に、500円の勘定科目は③固定資産売却益であるから、
現金1500 /土地1000
固定資産売却益500
となり、仕訳は完成です。
仲介手数料と家賃
5-1-4.部屋を借りる際、不動産業者に対する仲介手数料1万円と1か月の家賃5万円を現金で支払った。
ヒント1:支払手数料( )、支払家賃( )、現金( )
ヒント2:支払手数料(費用)、支払家賃(費用)、現金(資産)
支払手数料 10,000 現金 60,000
支払家賃 10,000
借方(左):費用の発生のため、支払手数料(費用)と支払家賃(費用)の増加です。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
1.部屋を借りる際、不動産業者に対する①仲介手数料1万円と②1か月の家賃5万円を③現金で支払った。
勘定科目:①支払手数料、②支払家賃、③現金
支払手数料と支払家賃で分けて考えてもいいでしょう。
2.(支払手数料)現金で支払ったため、〇〇/現金10,000
(支払家賃)現金で支払ったため、〇〇/現金50,000
3.(支払手数料)支払手数料10,000/現金10,000
(支払家賃)支払家賃50,000/現金50,000
代金は月末に支払い
5-1-5.備品1,000円を購入し 代金は月末に支払うことにした。なお購入にあたって送料据付費等の付随費用合計100円を現金で支払った。
ヒント1:備品( )、未払金( )、現金( )
ヒント2:備品(資産)、未払金(負債)、現金(資産)
備品 1100 未払金 1,000
現金 100
備品1000/現金1000
借方(左):備品を買ったため、備品(資産)の増加です。
貸方(右):代金を支払う義務が生じるため、未払金(負債)の増加です。
備品100/現金100
借方(左):付随費用は(今回は)「備品(資産)」として処理します。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
購入時の付随費用は取得原価(今回は備品)に含めます。
1.①備品1,000円を購入し、②代金は月末に支払うことにした。なお購入にあたって送料据付費等の③付随費用合計100円を④現金で支払った。
勘定科目:①備品、②未払金、(③備品)、④現金
付随費用の考えは、3-7-1や5-1-2と基本的に同じです。買った時の付随費用はメインの科目に含めます。
メイン(備品)と付随費用(送料据付費等)を分けて考えます。
2.(備品)→備品1000/〇〇 資産を買った(増えた時)は借方です。(5-1-1など参照)
(付随費用)→備品100/〇〇
3.(備品)→備品1000/未払金1000
(付随費用)→備品100/現金100
※将来払うべき義務→商品:買掛金 商品以外:未払金
代金の支払い
5-1-6.かねて購入した備品の代金1,000円について、小切手を振り出して支払った。
ヒント1:備品( )、当座預金( )
ヒント2:備品(資産)、当座預金(資産)
未払金 1,000 当座預金 1,000
※かねて…以前から、以前に
借方(左):代金を支払う義務がなくなるため、未払金(負債)の減少です。
貸方(右):当座預金から引き落とされるため、当座預金(資産)の減少です。
1.①かねて購入した備品の代金1,000円について、②小切手を振り出して支払った。
勘定科目:①未払金、②当座預金
※備品を購入して、後で支払う場合の仕訳(備品/未払金)を考えてみましょう。
2.②小切手を振り出しているから、〇〇/当座預金(2-2-2参照)
3.未払金/当座預金
土地の売却
5-1-7.所有していた土地(帳簿価額1,500円)を1,000円で売却し代金は月末に受け取ることにした。
ヒント1:土地( )、未収金( )、固定資産売却損( )
ヒント2:土地(資産)、未収金(資産)、固定資産売却損(費用)
未収金 1,000 土地 1,500
固定資産売却損 500
借方(左):(1000円)「将来、代金を受け取る権利」であるから未収入金(資産)の増加で処理します。
(500円)差額を固定資産売却損(費用)で処理します。
貸方(右):土地を売却したため、土地(資産)の減少で処理します。
※1500円のものを1000円で売ったため、500円の損です。
※未収金≒未収入金
1.①所有していた土地(帳簿価額1,500円)を1,000円で売却し②代金は月末に受け取ることにした。(5.1.3も参考に)
(③問題文に書いていないが、売却損や売却益は自分で計算します。1500円のモノを1000円で売却した→500円の売却損)
勘定科目:①土地、②未収金、③固定資産売却損
2.1000+500=1500より 借方、貸方のうち、どちらかが「1000円の勘定科目と500円の勘定科目」、もう片方が「1500円の勘定科目」です。
①土地1500円を売却しているから、〇〇/土地1500 すなわち、1500円の勘定科目は貸方(右)です。
よって、借方は
〇〇1000/土地1500
〇〇500
となります。
3.問題文より、1000円の勘定科目は②未収金、500円の勘定科目は③固定資産売却損です。
未収金1000 /土地1500
固定資産売却損500
売却代金の受け取り
5-1-8.かねて売却した土地の代金1,000円(未収入金)を現金で 受け取った。
ヒント1:未収金( )、現金( )
ヒント2:未収金(資産)、現金(資産)
現金 1,000 未収金 1,000
借方(左):現金で受け取ったため、現金(資産)の増加です。
貸方(右):「将来、代金を受け取る権利」が減るため、未収入金(資産)の減少です。
1.①かねて売却した土地の代金1,000円(未収入金)を②現金で 受け取った。
勘定科目:①未収入金、②現金
2.②現金で受け取ったため、現金/〇〇
3.現金/未収入金
②修繕関係
5-2-1.修繕のため500円を現金で支払った。
ヒント1:修繕費( )、現金( )
ヒント2:修繕費(費用)、現金(資産)
修繕費 500 現金 500
借方(左):修繕のための費用であるため、修繕費(費用)の増加です。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
1.①修繕のため500円を②現金で支払った。
勘定科目:①修繕費、②現金
2.②現金で支払ったため、〇〇/現金
3.修繕費/現金
建物の改装工事
5-2-2.建物改築の代金1,000円は小切手を振り出して支払った。(改良に相当します)
ヒント1:建物( )、当座預金( )
ヒント2:建物(資産)、当座預金(資産)
建物 1,000 当座預金 1,000
借方(左):建物の(修繕ではなく)改良であるため、建物(資産)の増加として処理します。
貸方(右):当座預金から引き落とされるため、当座預金(資産)の減少です。
1.①建物改築の代金1,000円は②小切手を振り出して支払った。(①「改良に相当」します)
勘定科目:①建物、②当座預金
2.②小切手を振り出しているから、〇〇/当座預金(2-2-2参照)
3.建物/当座預金
※修繕費:壊れたところを修理しただけ マイナスがゼロになる
例…屋根が壊れたから工事した場合→修繕費
※資産(建物など):改良工事することで価値が上がる ゼロがプラスになる
例…リフォームや増改築など→資産
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次回講義…仮払金や仮受金は借方、貸方のどっちに書くか迷いますよね。この記事では、仮払金や仮受金を複数パターンにわけて解説をしています。
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