固定資産売却の問題文がわからない。問題文が難しいので読み解きかたを教えてください。
早く・正確に・覚えやすく をコンセプトに解説します
本記事では、固定資産売却の問題の読み方をお教えします。
検定試験で毎回のように出題される減価償却費。得意になって、得点UPにつなげましょう!
減価償却費のことがわからない方は、まずはこちらの減価償却費の記事をおすすめします。
よくある問題文と解説
【問題文】
期首に、建物(取得原価1,000、減価償却累計額600)を500で売却した。代金は現金で受け取った、(間接法で仕訳)
【解答】
減価償却累計額600 建物1,000
現金500 売却益 100
【解説】
帳簿価額1,000-600=400
売却損益500-400=100
少し解説が不親切ですね。問題文を分解して、ひとつずつ解説します。
固定資産売却の問題文をひとつずつ解説
①期首に、②建物(取得原価1,000、減価償却累計額600)を③500で売却した。
④代金は現金で受け取った、⑤(間接法で仕訳)。
いきなり仕訳で考えると難しいです。まずは、いくらのものをいくらで売って、利益はいくらなのかを考えてみましょう。
この固定資産売却の論点は問題文の前から順に考えて問題ございません。
問題文をまずは事実ベースで考えてみる
1.「①期首に、」
当期の期首から売却までの間の減価償却費(月割)の計算が必要か考えます。
期首に売却したので、今回はこの計算は不要です。
2.「②建物(取得原価1,000、減価償却累計額600)を」
まずは純額で考えてみると良いでしょう。
建物の実質的な帳簿価額は1,000-600=400と考えておきます。
3.「③500で売却した。」
実質400の建物を500で売ったため、利益は100
4.「④代金は現金で受け取った」
500の現金を受け取った。
5.「⑤間接法で仕訳」
間接法か直接法で科目が変わりますが、基本的には間接法でOKです。
勘定科目を考える
いったんここまでで勘定科目を考えてみます。
実質400の建物が売却により減っているので、貸方(右)に書きます。
〇〇 /建物_実質400
500で売って現金で受け取ったので現金500を借方(左)に書きます。
現金500/建物_実質400
差額100が利益(売却益)です。 借方貸方のバランスが取れるように、貸方に書きます。
500=400+100
現金500/建物_実質400
売却益 100
ここで、「建物_実質400」を取得原価1,000と減価償却累計額600に戻してみます。
建物勘定は貸方のまま数値だけ1000にして、相手勘定(借方)に減価償却累計額600を記入します。
減価償却累計額600 建物1,000
現金500 売却益 100
これで完成です。
実践編 試験本番での考え方(簿記3級) 【早く解きたい!】
【問題文】
①期首に、②建物(取得原価1,000、減価償却累計額600)を③500で売却した。
④代金は現金で受け取った、⑤(間接法で仕訳)。
【考え方・解説】
①→②→③→④→⑤
①期首に(売却)
→当期の減価償却費は考えなくてOK
②建物(取得原価1,000、減価償却累計額600)を③500で売却した。
→実質価額は400、これを500で売ったので売却益100
④代金は現金で受け取った
→現金500/〇〇となる
仕訳を考えると
現金500/建物_実質400
売却益100
↓
⑤間接法なので置き換えます
減価償却累計額600/建物1,000
現金500 /固定資産売却益100
これで完成です。
もう少しスピードUPをめざすなら
慣れてきたら、建物_実質400のところを、いきなり建物1,000と減価償却累計額400で考えてOKです。
復習問題
問題文を分割しました。それぞれの段階で考えるべきことを教えてください。
→当期の期首から売却までの間の月割の計算が必要?
→期首に売却したので、今回は不要
建物の実質的な帳簿価額は1,000-600=400
売却益は500-400=100
現金500/〇〇 となる(現金は借方)
建物_実質400ではなく、建物1,000と減価償却累計額600に置き換える
減価償却累計額600/建物1,000
現金500 /固定資産売却益100
最後に
フローチャートをダウンロードできるように準備中です。少々お待ちくださいませ。
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