勘定科目が覚えられない
簿記3・2級で勘定科目が多くて覚えきれません。仕訳の覚え方のコツや解き方のコツを教えてください。
初見の仕訳やうろ覚えの仕訳の暗記or解くときのコツをお教えします。
正直なところ、テキストに載っている仕訳を丸暗記するのは現実的ではないです。ほかの授業・科目もあるので、覚える量は減らしたいですね。
試験直前や試験中に1点でも成績を上げたいという人は、ぜひご覧ください。
★売掛金と買掛金の解説をしている記事はこちらです!
売掛金と買掛金の違いや掛けについて、覚え方なども解説しています!
簿記入門者へ まずは2つの仕訳を覚えてみましょう
まずは
仕入(費用)/現金(資産)
現金(資産)/売上(収益)
この2つだけ覚えましょう。
この二つを基準に仕訳を考えるのが分かりやすいと思います。
特に現金の位置をまず覚え、その反対側にもう一つの勘定をかく、というイメージです。
「資産が増えるのが左」です。資産が減ったら逆(右)です。
一方、負債が増えたら、「資産が増える(左)」の逆なので右です。 そのときそのときで判断できることも多いです。
試験本番でも、資産、負債(現物系、イメージしやすい方)を先に欄を埋めて、もう片方は残りだ、とすると覚える量が少なくて済みます。
例えば、商品仕入100を現金で支払った(商品100を現金で仕入れた)、という仕訳を書くときは、
①□□/現金100
②仕入100/現金100 の順で書いてみましょう。
資産ならどちらに来るか、比較的わかりやすいためです。最初にわかる方を埋めて、次に借方・貸方の残っている方を埋めるイメージです。
現金が減る=貸方(右)に書く、というイメージはしやすいはずです。
商品を200円で売り、現金で受け取ったときの仕訳を書くときは、
①現金200/□□
②現金200/売上200 の順で書いてみましょう。
現金が増えたので借方(左)ですね。
仕訳で大事なのは、雪だるま式に覚えていくこと
例1、仕入(費用)
イメージは、英語の勉強に近いでしょうか。SVOCのように型が決まっていて、そこに入れていくイメージです。
今、費用の勘定として、「仕入」を使っていますが、別の費用勘定を入れても良いわけです。
A「商品仕入100」を現金で支払った→B「水道光熱費100」を現金で支払った。
商品仕入も水道光熱費も同じ費用グループです。
例えば、Aの仕訳がわかるがBの仕訳はうる覚えだった時には、以下のように考えると良いです。
①現金で支払ったのだから「〇〇100/現金100」 ここまではわかります。
②費用は●●費のように最後に「費」とつくことが多いです。
ということは、〇〇に入るのは「水道光熱費」かな?
③「水道光熱費100/現金100」…正解!
何回かテキストで見たことがあれば、思い出すかもしれません。
試験本番で、諦めて白紙で出すよりも期待値は高いかと思います。
大事なのは、問題文のどこを見ると使うべき勘定がわかるか把握するということです。
今回であれば、商品を仕入=「仕入」勘定 水道光熱費=「水道光熱費」です。
例2、売掛金(資産)
正位置も意識すると良いでしょう。
(その科目は基本的にどちらで使われることが多いか、ということです)
例えば「現金200/売上200」
※現金は増えたり減ったりしながら、最終的には増えていきます。
現金という勘定は通常、左側(借方)に来るとおぼえましょう。
すると、現金は資産グループ、売掛金も資産グループ(増えたら嬉しいもの)で同じですから、
「現金200/売上200」を「売掛金200/売上200」に変えても違和感が無いわけです。
この考え方は、初見の問題やうる覚えの問題を暗記するときor解くときに役立ちます。
例えば、
A「商品を200円で売り、現金で受け取った」の仕訳は知っていて、
B「商品を200円で売り、代金は掛とした」の仕訳は初見orうる覚えだとします。
Aの仕訳は「現金200/売上200」とわかります。
Bの仕訳はよくわからないが、売っているから、代金としてなにか資産をもらっていることはわかります。
また、仕訳の前半部分は共通だから、仕訳はおそらく
「〇〇200/売上200」、となるはずとわかります。
問題文の後半部分が〇〇
ここで、「掛」という言葉から「売」ったときの掛=「売掛金」と思い出せれば、
「売掛金200/売上200」とわかります。
※場合によっては他の問題に勘定科目が載っていることがありますので、どうしても思い出せないときは探してみても良いでしょう。試算表や精算表の解答用紙にかかれていることもあります。
したがって、この問題文でまず覚えるべきことは、
・「売ったときの代金は掛とした」=「売掛金」という知識
・現金と売掛金が同じ資産グループにある(可能であればうっすらでよいので覚える)
という知識です。
最低限これだけ覚えていれば次の例題に進んで良いのではないでしょうか?
最低限、上の2つを覚えられれば次の例題に進んで良いのではないでしょうか?
確かに、最終的には問題文→解答仕訳とダイレクトに思い出せるように練習します。
しかし、こういった練習は試験範囲を一周してからで良いと私は考えます。
まずは時間がかかってもいいから問題文→ヒント→仕訳ができるようになると良いですね。
こういったプロセスを踏むことで、丸暗記よりも効率的に覚えられるでしょう。
支払った、受け取った系の仕訳は一旦、現金に置き換えてみる
例3、未払金(負債)
仕訳が複雑でわからないときは、現金で考えてみると良いでしょう。
前述しましたが、以下はよく使う概念です。
借方(左):現金が増える(資産が増える)
貸方(右):現金が減る(資産が減る)、負債が増える
※現金の増減に着目して、つなげて考えていくイメージです。
現金が増える→資産が増える→売掛金が増える
現金が減る→負債が増える→買掛金、未払金が増える
備品100を購入し、代金は後払いという仕訳があったとします。
代金は後払いという文言は一旦後回しにして、備品を買ってきたから代金を払う必要がある、と考えます。
現金であればおそらく
「備品100/現金100」となるはずだ、備品(資産)が増えているから貸借は逆ではないはず。と導き出せます。
ここで、現金の代わりの勘定科目を考えます。
「備品100/〇〇100」
後「払い」という文言や↓の知識から「未払金」という勘定科目が思い出せればGOODです。
解答は「備品100/未払金100」
※未払金の論点では、まずは「商品代金の後払い=買掛金、商品以外の代金の後払い=未払金」を覚えると良いでしょう。
(「後払い」という文言から未払金という勘定科目を出せると良いです)
詳細は、こちらの記事「簿記特有の言い回しまとめ」を御覧ください。
★問題文のどの文言から勘定科目を抽出するかまとめ中です。
例4、買掛金(負債)
仕入時に現金ではなく代わりに買掛金(負債)なら、
仕入(費用)/買掛金(負債)と書き換えればよいです。
まずは、現金で仕入れた場合を考えてから、買掛金であればどうだろうか、と考えてみましょう。
仕入100/現金100→仕入100/買掛金100 ということですね。
最後に
簿記は覚えるべきことが多いです。
資産はここ、負債はここ、とわざわざ覚えていくとパンクします。前述の仕訳二つだけまず覚えてて雪だるま式に覚えていくのがおすすめです。
この論点はここだけおぼえれば良い、と割り切って効率的に覚えていきましょう。
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