減価償却費の問題文がわからない。問題文が難しいので読み解きかたを教えてください。
早く・正確に・覚えやすく をコンセプトに解説します
本記事では、減価償却の問題の読み方をお教えします。
検定試験で毎回のように出題される減価償却費。得意になって、得点UPにつなげましょう!
減価償却費をさらっと解説
固定資産の取得
・「取得原価=本体+手数料」
→仕入れのときと同じように、手数料は取得原価に含めます。
・建物、土地、備品、車などが固定資産です。
・当期に使い切らず、数年間使います。
問題:建物100を購入し代金は現金で支払うことにした。(建物、現金)
解答:建物100/現金100
解説:現金勘定を減らして、建物勘定を増やします。
減価償却の仕訳
問題1:建物の減価償却費を計上する(定額法、直接法)
(取得原価100、残存価額は0円、耐用年数10年)
解答:減価償却費10 建物10
解説:10年掛けて100減らすため、1年で10減少させます。
よって、建物10減らして、その分を費用とします。
問題2:建物の減価償却費を計上する(定額法、間接法)
(取得原価100、残存価額は0円、耐用年数10年)
解答:減価償却費10 減価償却累計額10
解説:建物を直接減らす代わりに「減価償却累計額」勘定を使います。
よくある問題文と解説
【問題文】
「当期首に購入した建物(取得原価1000円、残存価額は0円、耐用年数は10年)について、
定額法により減価償却を行う。(間接法で記帳する)」
【解答】
減価償却費100/減価償却累計額100
【解説】
(1,000-0)/10=100
少し解説が不親切ですね。問題文を分解して、ひとつずつ解説します。
減価償却費の問題文をひとつずつ解説
①当期首に購入した建物 ②(取得原価1000円、残存価額は0円、耐用年数は10年)について、
③定額法により減価償却を行う。④(間接法で記帳する)
問題文で見るべき順番は③→②→①→④です。
1.【③定額法により減価償却を行う。】
一番先に見るべき箇所は③です。
ただ、日商簿記3級では定額法のみなので、無視してもらってもOKです。
今回は定額法なので、減価償却すべき額を耐用年数で割る、ということがわかればOKです。
※簿記2級では定額法or定率法のどちらなのか見る必要があります。
2.【②(取得原価1,000円、残存価額は0円、耐用年数は10年)】
ここは、数字が出てくる順に考えればOKです。
→まずは取得原価1,000円からスタート
→何円分減価償却をするか考えます(減価償却すべき額を考えます)。
→1,000⇛0円なので1,000円分減価償却します。
→これを10年間で分けるので、1000÷10年=100(1年間)となります。
3.【①当期首に購入した建物】
→期首でない場合は月割をします。
→例えば期末が3/31で前年12/31に取得であれば、3ヶ月分のみ計算します。
今回は建物を期首に購入したため、計算すべき期間は期首~期末の1年分(12ヶ月分)です。
よって、特に月割をする必要はなく、減価償却費は100です。
4.【④(間接法で記帳する)】
直接法か間接法かで、使うべき科目が変わります。
ダイレクトに建物勘定をへらす直接法か、建物勘定をへらす代わりに別の勘定を使う間接法、のどちらなのかを考えます。
今回は間接法なので、建物勘定の代わりに「減価償却累計額」勘定を使います。
減価償却「費」という費用勘定のホームポジションは借方(左)なので、まずは借方から解答用紙を埋めるとよいかと思います。
減価償却費100/〇〇100
↓
残った右側に減価償却累計額を書きます。
減価償却費100/減価償却累計額100
(参考)直接法:減価償却費100/建物100
仕訳解答:減価償却費100/減価償却累計額100
実践編 試験本番での考え方(簿記3級) 【早く解きたい!】
【問題文】
①当期首に購入した建物 ②(取得原価1,000円、残存価額は0円、耐用年数は10年)について、
③定額法により減価償却を行う。④(間接法で記帳する)
【考え方・解説】
(③→)②→①→④
(3級では定額法しか出てこないので)②よりスタート
・減価償却すべき額1,000-0=1000…②
・耐用年数で割るので1,000/10=100…②
・期首取得なので月割不要 100のまま…①
・間接法なので減価償却費と減価償却累計額を使う…④
・解答用紙に「減価償却費100/◯◯100」と埋めて、次に「減価償却費100/減価償却累計額100」と記入して完成。
もう少しスピードUPをめざすなら
・(1,000-0)/10=1,000/10=100
・期首取得なので月割不要
・間接法なので減価償却費と減価償却累計額を使う
・解答用紙に「減価償却費100/減価償却累計額100」と記入。
と考えます。
復習問題
以下の復習問題で確認してみてください。口頭でいいので応えられるように練習すると良いでしょう。
復習問題1
→まずは③定額法により減価償却」を見ましょう。
計算方法が変わります。(簿記③級では省略可能)
復習問題2
問題文を分割しました。それぞれの段階で考えるべきことを教えてください。
定額法か定率法か 定額法なら減価償却すべき額を耐用年数で割る
減価償却すべき額は1,000-0=1,000円
これを耐用年数で割るので1,000/10年=100円(1年分)
減価償却の期間が1年分or月割なのか
今回は当期首に購入とあるので当期首~当期末の1年分(100円)
直接法と間接法があって、間接法なので減価償却費&減価償却累計額勘定を使う
減価償却費を借方に、減価償却累計額を貸方に書く
よって、減価償却費100/減価償却累計額100
【参考】減価償却の意味
•資産は買った後、少しずつ価値が減っていきます。
•また、資産が数年間使えるのならば、まとめて費用ではなく、少しずつ費用にしたほうがより適切です。
•これらを仕訳にしたのが減価償却です。
(例)
建物100/現金100→(1年後)減価償却費10/建物10 のように
資産を少しずつ減らして、その分を減価償却費にします。
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最後に
フローチャートをダウンロードできるように準備中です。少々お待ちくださいませ。
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