はじめに
手形仕入れや売り上げの仕訳を教えてください。複雑な仕訳がわかりません。
まずは問題文を読んでみましょう。わからなければ、上から順番にクリックしていきましょう。最後に解答解説を読んで理解してください。
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最終的には、ヒントなしで解答仕訳を思い出せるようになりましょう。
解答…一般的な解答
解説…ぼすとん(筆者)おすすめの考え方、覚え方
①(約束)手形
約束手形の振り出し(仕入)
3-1-1.AはBから商品100円を仕入れ、代金はBを名宛人とする約束手形100円を振り出して支払った。
ヒント1:仕入( )、支払手形( )
ヒント2:仕入(費用)、支払手形(負債)
仕入 100 支払手形 100
借方(左):商品を仕入れたため、仕入(費用)の増加です。
貸方(右):約束手形という支払い義務が増えるため、支払手形(負債)の増加です。
1.AはBから①「商品100円を仕入れ」、代金はBを名宛人とする②「約束手形100円を振り出して」支払った。
勘定科目:①仕入、②支払手形
2.商品を仕入れたため、仕入/〇〇(1-1-2参照)
3.仕入/支払手形
(買掛金(負債)とは別の負債である、支払手形勘定を使います。)
※商品を仕入れ、代金を「支払う」時→支払手形
※商品を販売し、代金を「受け取る」時→受取手形
支払手形の支払
3-1-2.A株式会社はかつてB株式会社宛に振り出した約束手形100円が支払い期日になった。当座預金から代金100円が支払われた旨の通知を受けた。
ヒント1:支払手形( )、当座預金( )
ヒント2:支払手形(負債)、当座預金(資産)
支払手形 100 当座預金 100
借方(左):約束手形という支払い義務が減るため、支払手形(負債)の減少です。
貸方(右):当座預金から引き落とされるため、当座預金(資産)の減少です。
1.A株式会社はかつてB株式会社宛に振り出した①「約束手形100円が支払い期日」になった。②「当座預金から代金100円が支払われた」旨の通知を受けた。
勘定科目:①支払手形、②当座預金
2.②当座預金が減ったのだから、〇〇/当座預金
3.支払手形/当座預金
約束手形の振り出し(売上)
3-1-3.A株式会社はB株式会社に商品を100円で販売した。代金はB株式会社振り出し、埼玉株式会社当社を名宛人とする約束手形100円で受け取った。
ヒント1:売上( )、受取手形( )
ヒント2:売上(収益)、受取手形(資産)
受取手形 100 売上 100
借方(左):「将来、換金できる権利(手形)」を受け取ったため、受取手形(資産)の増加です。
貸方(右):商品を売り上げたため、売上(収益)の増加です。
1.A株式会社はB株式会社に①「商品を100円で販売」した。代金はB株式会社振り出し、埼玉株式会社当社を名宛人とする②「約束手形100円で受け取った」。
勘定科目:①売上、②受取手形
2.商品を販売したのだから、基本パターンAに類似です。〇〇/売上
3.受取手形/売上
3-1-4.A株式会社は取り立てを依頼していたB株式会社振り出しの約束手形100円が支払い期日になった。当座預金口座に代金100円が入金された旨通知を受けた。
ヒント1:受取手形( )、当座預金( )
ヒント2:受取手形(資産)、当座預金(資産)
当座預金 100 受取手形 100
借方(左):当座預金に入金されたため、当座預金(資産)の増加です。
貸方(右):「将来、換金できる権利(手形)」を当座預金に変更したため、受取手形(資産)の減少です。
1.A株式会社は取り立てを依頼していたB株式会社振り出しの①「約束手形100円が支払い期日」になった。②「当座預金口座に代金100円が入金された」旨通知を受けた。
勘定科目:①受取手形、②当座預金
2.②当座預金に入金された(増えた)から、当座預金/〇〇
3.当座預金/受取手形
②電子記録債権
電子記録債権の発生
3-2-1.A株式会社は得意先B株式会社に対する売掛金100円について、電子記録債権の発生記録を行った。
ヒント1:売掛金( )、電子記録債権( )
ヒント2:売掛金(資産)、電子記録債権(資産)
電子記録債権 100 売掛金 100
借方(左):「将来、換金できる権利(電子記録債権)」を受け取ったため、電子記録債権(資産)の増加です。
貸方(右):売掛金を別の債権に振り替えた(変更した)ため、売掛金(資産)を減少させます。
1.A株式会社は得意先B株式会社に対する①「売掛金100円」について、②「電子記録債権の発生記録」を行った。
勘定科目:①売掛金、②電子記録債権
2.売掛金が電子記録債権になったため、売掛金が減りました。
→売掛金が減った時の仕訳(1-2-3)を参考に 〇〇/売掛金と考えてもいいし、
売掛金と同じ「資産」グループである電子記録債権が増えた、と考え、
電子記録債権/○○ と考えてもOKです。(資産が増えた時の仕訳は、1-2-1や1-2-2を参照)
3.電子記録債権/売掛金
電子記録債権の入金
3-2-2.電子記録債権100円の支払い期限が到来し当座預金口座に入金された。
ヒント1:電子記録債権( )、当座預金( )
ヒント2:電子記録債権(資産)、当座預金(資産)
当座預金 100 電子記録債権 100
借方(左):当座預金に入金されたため、当座預金(資産)の増加です。
貸方(右):「将来、換金できる権利(電子記録債権)」を当座預金に変更したため、電子記録債権(資産)の減少です。
1.①「電子記録債権100円の支払い期限」が到来し②「当座預金口座に入金」された。
勘定科目:①電子記録債権、②当座預金
2.当座預金に入金された(増えた)ため、当座預金/〇〇
※3-2-1の逆と考え、電子記録債権の減少→〇〇/電子記録債権と考えてもOKです。
3.当座預金/電子記録債権
電子記録債務の発生
3-2-3.A株式会社は、仕入先B株式会社に対する買掛金100円について、電子記録債務の発生記録を行った。
ヒント1:買掛金( )、電子記録債務( )
ヒント2:買掛金(負債)、電子記録債務(負債)
買掛金 100 電子記録債務 100
借方(左):支払い義務がなくなるため、買掛金(負債)の減少です。
貸方(右):買掛金という支払い義務を、電子記録債務という新たな義務に変更するため、電子記録債務(負債)の増加です。
1.A株式会社は、仕入先B株式会社に対する①「買掛金100円」について、②「電子記録債務の発生記録」を行った。
勘定科目:①買掛金、②電子記録債務
2.この問題は、「買掛金が電子記録債務に変わった」という意味です。
買掛金が減ったため(1-1-3参照)、買掛金/〇〇
もちろん、電子記録債務という新たな債務が発生したと考え、〇〇/電子記録債務と考えてもOKです。(基本パターンDや1-1-2参照)
3.買掛金/電子記録債務
電子記録債務の支払
3-2-4.電子記録債務100円の支払い期限が到来したため、当座預金で決済した。
ヒント1:電子記録債務( )、当座預金( )
ヒント2:電子記録債務(負債)、当座預金(資産)
電子記録債務 100 当座預金 100
借方(左):支払い義務がなくなるため、電子記録債務(負債)の減少です。
貸方(右):当座預金から支払われたため、当座預金(資産)の減少です。
1.①「電子記録債務100円の支払い期限が到来」したため、②「当座預金で決済」した。
勘定科目:①電子記録債務、②当座預金
2.②当座預金で決済した(支払った)ため、当座預金の減少です。 〇〇/当座預金
(2-2-2参照)
なお、3-2-3を参考に、負債の減少→電子記録債務/〇〇と考えてもOKです。
3.電子記録債務/当座預金
③前渡金、前受金
手付金の支払
3-3-1.商品100円を注文し手付金として20円を現金で支払った。
ヒント1:前渡金( )、現金( )
ヒント2:前渡金(資産)、現金(資産)
前渡金 20 現金 20
借方(左):「将来、商品を受け取る権利が増える」ため、前渡金(資産)の増加です。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
商品に100円を注文し①手付金として20円を②現金で支払った。
→①前払金(資産)の増加と②現金(資産)の減少
(注文の)手付金≒「前渡金」
1.商品100円を注文し①手付金として20円を②現金で支払った。
勘定科目:①前渡金、②現金
2.現金で支払ったため、〇〇/現金
3.前渡金/現金
※仕入という勘定科目を使わない理由
→商品が納品(チェック)されたときに「仕入」勘定を使います。
→注文しただけで、まだ商品が到着していないため、仕入勘定ではく前渡金(仮の勘定)をつかうのです。
※前渡金≒前払金
仕入 手付金&掛け
3-3-2.商品100円を受け取り(仕入れ、)代金のうち20円は注文時に支払った手付金と相殺し残金は掛けとした。
ヒント1:仕入( )、前渡金( )、買掛金( )
ヒント2:仕入(費用)、前渡金(資産)、買掛金(負債)
仕入 100 前渡金 20
買掛金 80
借方(左):商品を仕入れたため、仕入(費用)の増加です。
貸方(右):(20円)「将来、商品を受け取る権利」が減るため、前渡金(資産)の減少です。
貸方(右):(80円)あとで商品の代金を支払う義務が生じるため、買掛金(負債)の増加です。
1.①商品100円を受け取り(仕入れ)、②代金のうち20円は注文時に支払った手付金と相殺し③残金は掛けとした。
勘定科目:①仕入、②前渡金、③買掛金
2.商品を仕入れたときは仕入/〇〇(1-1-2参照)
3-1.仕入100/前渡金20 ←前渡金/現金(3-3-1参照)の前渡金を相殺するため
/〇〇
3-2.仕入100/前渡金20
/買掛金80(残額80円について買掛金の増加で処理します。 (1-1-2参照)
※3-1と3-2はどちらを先に考えてもOKです。
手付金の受け取り
3-3-3.商品100円の注文を受け手付金として現金20円を受け取った。
ヒント1:前受金( )、現金( )
ヒント2:前受金(負債)、現金(資産)
現金 20 前受金 20
借方(左):現金を受け取ったため、現金(資産)の増加です。
貸方(右):「将来、商品を引き渡す義務」が生じるため、前受金(負債)の増加です。
1.商品100円の注文を受け①手付金として②現金20円を受け取った。
勘定科目:①前受金、②現金
2.②現金が増えるため、現金/〇〇
3.現金/前受金
※3-3-1と同様に、注文を受けただけでは「売上」とはならず、商品を渡した時に「売上」を計上します。
手付金と相殺 掛け
3-3-4.商品に100円を引き渡し、代金のうち20円は注文時に受け取った手付金と相殺し、残額は掛けとした。
ヒント1:売上( )、前受金( )、売掛金( )
ヒント2:売上(収益)、前受金(負債)、売掛金(資産)
前受金 20 売上 100
売掛金 80
借方(左):(20円)「将来、商品を引き渡す義務」をへらすため、前受金(負債)の減少です。
借方(左):(80円)「あとで売上代金を受け取る権利」を受け取ったため、売掛金(資産)の増加です。
貸方(右):商品を売り上げたため、売上(収益)の増加です。
1.①商品に100円を引き渡し、②代金のうち20円は注文時に受け取った手付金と相殺し、③残額は掛けとした。
勘定科目:①売上、②前受金、③売掛金
2.①商品を引き渡したため、〇〇/売上
3-1.前受金20/売上100 ←現金/前受金の前受金を相殺するため(3-3-3参照)
〇〇 80
3-2.前受金20/売上100 ←残った欄に売掛金80を書きます。
売掛金80
※3-1.3-2はどちらを先に考えてもOKです。
④商品券
3-4-1.商品を100円で販売し、受取商品券で受け取った。
ヒント1:売上( )、商品券( )、現金( )
ヒント2:売上(収益)、商品券(資産)、現金(資産)
受取商品券 100 売上 100
借方(左):商品券を受け取ったため、商品券(資産)の増加です。
貸方(右):商品を売り上げたため、売上(収益)の増加です。
1.①商品を100円で販売し、②受取商品券で受け取った。
勘定科目:①売上、②受取商品券
2.①商品を販売したため、〇〇/売上(基本パターンA参照)
3.受取商品券/売上
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