はじめに
現金・預金の仕訳を教えてください。特に、小切手の仕訳がわかりません。
まずは問題文を読んでみましょう。わからなければ、上から順番にクリックしていきましょう。最後に解答解説を読んで理解してください。
問題→ヒント1→ヒント2→解答→解説
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最終的には、ヒントなしで解答仕訳を思い出せるようになりましょう。
解答…一般的な解答
解説…ぼすとん(筆者)おすすめの考え方、覚え方
現金の範囲について解説している記事はこちらです。
①普通預金
現金預け入れ
2-1-1.現金100円を普通預金口座に預け入れた。
ヒント1:現金( )、普通預金( )
ヒント2:現金(資産)、普通預金(資産)
普通預金 100 現金 100
借方(左):普通預金口座に預け入れたため、普通預金(資産)の増加です。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
1.①現金100円を②普通預金口座に預け入れた。(基本パターンCに類似)
勘定科目:①現金、②普通預金
2.現金が減って普通預金が増えるイメージです。
現金が減るため、まず、〇〇/現金
3.次に、普通預金/現金 と埋めてみましょう。
あるいは、普通預金という新たな資産が増えることから、いきなり借方(左)を埋めてみてもOKです。
現金引き出し
2-1-2.普通預金口座より現金100円を引き出した。
ヒント1:普通預金( )、現金( )
ヒント2:普通預金(資産)、現金(資産)
現金 100 普通預金 100
借方(左):現金を受け取ったため、現金(資産)の増加です。
貸方(右):普通預金口座より引き出したため、普通預金(資産)の減少です。
1.①普通預金口座より②現金100円を引き出した。
勘定科目:①普通預金、②現金
2.現金を引き出した(現金が増えた)とあるから、現金/〇〇
3.現金/普通預金
あるいは、2-1-1の逆仕訳と考えてみてもいいでしょう。
②小切手&当座預金
「小切手を振り出して支払った」、「受け取った」仕訳について解説している記事は、
こちらのリンクからどうぞ!
小切手受け取り
2-2-1.以前、AはBに商品100円(売価)を掛けで売った。B社売掛金の回収として同社振出の小切手100円を受け取った。
ヒント1:売掛金( )、現金( )
ヒント2:売掛金(資産)、現金(資産)
現金 100 売掛金 100
同社振り出しの小切手↔当社振り出し
相手からもらった小切手はいつでも現金(資産)に換金できるため現金として扱います。
借方(左):小切手を受け取った時は現金(資産)の増加で処理します。
貸方(右):売掛金を回収(代金を現金か預金で受け取る)したため、売掛金(資産)を減少させます。
1.以前、AはBに商品100円(売価)を掛けで売った。①B社売掛金の回収として②同社振出の小切手100円を受け取った。
勘定科目:①売掛金(掛けで売ったため)、②現金
2.現金(他社振り出しの小切手)が増えたのだから、現金/○○
3.現金/売掛金
小切手振り出し(支払)
2-2-2.買掛金100円について、小切手を振り出して支払った。
ヒント1:買掛金( )、当座預金( )
ヒント2:買掛金(負債)、当座預金(資産)
買掛金 100 当座預金 100
借方(左):支払い義務がなくなるため、買掛金(負債)の減少です。
貸方(右):当座預金から引き落とされるため、当座預金(資産)の減少です。
小切手を受け取った相手側がその小切手を銀行等に持っていく→換金され、当社の当座預金から引き落とされます。
参考:小切手を受け取った場合は受け取った小切手はいつでも換金ができます。この場合は現金の増加(資産)です。(2-2-1)
1.①買掛金100円を~支払った。②小切手を振り出して支払った。
勘定科目:①買掛金、②当座預金(上記解説を参照)
2.借方貸方のどちらから考えてもOKですが、今回は買掛金から考えてみます。
1-1-2や1-1-3の知識があれば、「買掛金を支払った時は借方(左)に書くこと」を思い出せるかもしれません。 買掛金/○○
3.買掛金/当座預金
※小切手の論点は、自分or相手が振り出した、小切手をもらったor小切手で支払ったというのが気をつけるべきフレーズです。
※当座預金とは事業用の口座です。小切手や手形を使います。
現金預け入れ(当座)
2-2-3.銀行と当座取引契約を結び現金100円を預け入れた。
ヒント1:当座預金( )、現金( )
ヒント2:当座預金(資産)、現金(資産)
当座預金 100 現金 100
借方(左):当座預金口座に預け入れたため、当座預金(資産)の増加です。
貸方(右):現金で支払ったため、現金(資産)の減少です。
1.銀行と①当座取引契約を結び②現金100円を預け入れた。
勘定科目:①当座預金(「当座」「預け入れた」より)、②現金
2.現金が当座預金に変わるため、現金の減少です。 よって、〇〇/現金
3.当座預金/現金
小切手受け取り&ただちに当座預金
2-2-4.売掛金100円を先方振り出しの小切手で受け取りただちに当座預金とした。
ヒント1:売掛金( )、当座預金( )
ヒント2:売掛金(資産)、当座預金(資産)
当座預金 100 売掛金 100
借方(左):受け取った小切手(現金)を当座預金とするため、当座預金(資産)の増加です。
貸方(右):売掛金を回収(代金を現金か預金で受け取る)したため、売掛金(資産)を減少させます。
2-2-1と2-2-3を合体させた仕訳です。
(現金100) 売掛金100
当座預金100 (現金100)
1.①売掛金100円を②先方振り出しの小切手で受け取り③ただちに当座預金とした。
勘定科目:①売掛金、(②現金)、③当座預金
2.勘定科目が3つ出てくるかもしれないと混乱するかもしれません。
2つの仕訳があって、相殺された結果、②現金が消えているのです。
↓の仕訳のように、2つ仕訳を書いてみてから②を消してもいいですし、いきなり①売掛金と③当座預金の勘定科目のみで仕訳をしてもOKです。
(②現金100) ①売掛金100
③当座預金100 (②現金100)
問題文が難しい仕訳の解き方として、①売掛金と③当座預金のみを使って仕訳をしてみます。
「①売掛金100円を~受け取り」のフレーズが難しいため、比較的わかりやすい当座預金から貸借を考えてみます。
当座預金が増えるのだから、借方(左)。よって、当座預金/〇〇
3.残った貸方(右)に売掛金と書きます。
当座預金/売掛金
※この問題で最低限暗記すべきことは、
・この問題文が出てきたら当座預金と売掛金の勘定科目を使うこと
・本問では当座預金が借方(左)に来ること
この2点です。
(売掛金の借方貸方の判断は自動的にわかるため、難しいなら暗記しなくてもOKです。)
小切手振り出し(支払)&当座借越
2-2-5.買掛金100円について小切手を振り出して支払った。なお当座預金勘定残高は10円であったが借越限度額500円の当座借越契約を結んでいる。
ヒント1:買掛金( )、当座預金( )
ヒント2:買掛金(負債)、当座預金(資産)
買掛金 100 当座預金 100
借方(左):支払い義務がなくなるため、買掛金(負債)の減少です。
貸方(右):当座預金から引き落とされるため、当座預金(資産)の減少です。
1.①買掛金100円を~支払った。②小切手を振り出して支払った。
勘定科目:①買掛金、②当座預金(2-2-2参照)
2.と3.は省略
※当座預金が不足している時は決算の時に調整します。不足していないときと同様に仕訳してOKです。
③小口現金
小口現金を前渡し
2-3-1.小口現金100円を当座預金から引き出して用度係に前渡しした。
ヒント1:小口現金( )、当座預金( )
ヒント2:小口現金(資産)、当座預金(資産)
小口現金 100 当座預金 100
借方(左):引き出してきたお金を小口現金(資産)という小さな財布に入れて管理するイメージ。
貸方(右):当座預金を引き出しているため、当座預金(資産)を減少させる。
「小切手を振り出して用度係に前渡し」の場合も同様の仕訳。自ら小切手を振り出しているため、当座預金(資産)を減少させる
1.①「小口現金」100円を~前渡しした。②「当座預金」から引き出して用度係に前渡しした。
勘定科目:①小口現金、②当座預金
2.当座預金から引き出す(=預金からへらす)ため、〇〇/当座預金
3.小口現金/当座預金
用度係が小口現金で支払
2-3-2.用度係はバス代10円を小口現金で支払った。
費用はいつ発生しているでしょうか?
特になし
仕訳なし
※取引ごとに一回一回仕訳をするのは大変だからまとめて仕訳をする、というのが小口現金の趣旨
※したがって、支払ったつど仕訳をするのは、本来の趣旨に反するためやらない、というイメージ。
下の問題では、この取引を3回繰り返したと仮定しています(10円*3回=30円:)。
小口現金の支払の報告を受けた
2-3-3.用度係から次のような支払いの報告を受けた。 交通費30円
ヒント1:旅費交通費( )、小口現金( )
ヒント2:旅費交通費(費用)、小口現金(資産)
旅費交通費 30 小口現金 30
※支払の報告を受けたタイミングでまとめて仕訳をします。
借方(左):旅費交通費(費用)の増加で処理します。
貸方(右):通常の現金での支払と同様に考え、小口現金(資産)の減少で処理します。
1.①~小口現金で支払った→用度係から次のような支払いの報告を受けた。 ②交通費30円
勘定科目:①小口現金、②旅費交通費
2.旅費交通費が発生したと考え、旅費交通費/〇〇(基本パターンB参照)
3.旅費交通費/小口現金
小口現金の補給
2-3-4.会計係は用度係に小切手30円を振り出して小口現金を補給した。
ヒント1:当座預金( )、小口現金( )
ヒント2:当座預金(資産)、小口現金(資産)
小口現金 30 当座預金 30
借方(左):小口現金を補給するため、小口現金(資産)の増加です。
貸方(右):当座預金から引き落とされるため、当座預金(資産)の減少です。(参考:2-2-2)
1.会計係は用度係に①「小切手30円を振り出し」て②小口現金を補給した。
勘定科目:①当座預金、②小口現金
2.小切手を振り出しているため、(2-2-1参照)〇〇/当座預金
3.小口現金/当座預金
小口現金の補給 その2
2-3-5.用度係から次のような支払いの報告を受けたため、小切手を振り出して小口現金を補給した。交通費30円
ヒント1:旅費交通費( )、当座預金( )
ヒント2:旅費交通費(費用)、当座預金(資産)
旅費交通費 30 当座預金 30
借方(左):通信費(費用)と旅費交通費(費用)の増加で処理します。
貸方(右):当座預金から引き落とされるため、当座預金(資産)の減少です。
2-3-3と2-3-4を合体させた仕訳です。
旅費交通費 30 (小口現金 30) (2-3-3)
(小口現金 30) 当座預金30 (2-3-4)
1.用度係から次のような支払いの報告を受けたため、①「小切手を振り出して」②「小口現金を補給」した。③交通費30円
勘定科目:①当座預金、(②小口現金)、③旅費交通費
2.3.上記の通り、2つの仕訳を合わせる方がわかりやすいです。
2-3-3→2-3-4 の仕訳を完成させます。
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