小切手振り出し・受け取り仕訳 質問と回答(短縮版)
小切手の仕訳について質問です。「現金」と「当座預金」のどちらの勘定で処理すれば良いのかわかりません。理由も教えてください。
小切手を受け取ったときは「現金」、振り出したときは「当座預金」です。
小切手を持つ人は銀行で換金をすることができます。
- 小切手を振り出した人→当座預金より換金額が払い出されるため。当座預金が減ります。よって、「当座預金」勘定のマイナスです。
- 小切手を受け取った人→銀行ですぐに換金(=現金)できるため、現金と同じ扱いとなります。よって、「現金」勘定となります。
他人振り出しの小切手(相手先から渡された小切手)は、換金性が高いです。言い換えると、銀行に持っていくとすぐに換金できるため、簿記では現金と同じ扱いをしています。通貨代用証券と言われています。
小切手振り出し・受け取り仕訳 質問と回答(詳細版)
小切手の仕訳について質問です。「現金」と「当座預金」のどちらの勘定で処理すれば良いのかわかりません。
理由も教えてください。仕訳は以下のとおりです。
1.商品100円を販売し、代金は小切手で受け取りました。
2.備品を100円で購入し、支払いは小切手を振り出して払いました。
仕訳の答えは
1.現金100/売上100
2.備品100/当座預金100
となっています。
小切手の仕訳は「現金」勘定を使うと聞いたので混乱しています。
回答
小切手とは、一定額の支払を約束する有価証券です。小切手を持っている人が銀行に行くと、現金に交換してもらえます。
振り出したとは、小切手帳に必要事項を書いて取引相手にわたすことです。
小切手を振り出した人→当座預金より換金額が払い出されるため。当座預金が減ります。よって、「当座預金」勘定のマイナスとなります。
小切手を受け取った人→銀行ですぐに換金(=現金)できるため、現金と同じ扱いとなります。よって「現金」勘定
1.商品100円を販売し、とあるため、売上(収益)が増えます。
✗✗/売上100
代金を小切手で受け取った、とあるため、現金(資産)で受け取ったことと同じです。
よって、
現金100/売上100
となります。
2.備品を100円で購入し、とあるため備品(資産)が増えます。
備品100/✗✗
支払いは小切手を振り出して払った、とあるため、当座預金(資産)が減ります。
よって、
備品100/当座預金100
となります。
小切手とは
小切手は金融取引における支払い手段のひとつであり、銀行や郵便局から発行される紙の文書です。普通小切手と呼ばれるものが一般的で、日本国内でよく利用されています。
支払いの際に現金を用いる代わりに、小切手を受け取ることで決済が完了します。これにより大口の取引も安全かつスムーズに行うことが可能になるため、ビジネスの現場では頻繁に用いられています。
小切手の定義/小切手の仕組み
小切手とは、支払人(振出人)が銀行に対して指定した金額を受取人(引き出し人)に支払うための文書です。
支払人の銀行口座から引き落とされ、受取人の銀行口座に振り込まれる仕組みです。
小切手と手形の違い
小切手と手形はしばしば混同されますが、小切手はすぐに換金することを前提とし、手形は将来の特定の日に支払いを行うことが決められている点で異なります。
したがって、小切手では、支払いに必要な金額を銀行に預けて置く必要がありますが、手形はその時点では預ける必要がないという点で異なります。
小切手振り出し後の主な流れ
小切手の振出後には次のような流れとなります。迅速な対応が求められるので、流れを把握し、手順を適切に実行しましょう。
主な流れは以下のとおりです。
- 受取人に小切手を渡す
- 受取人が小切手を銀行へ提示する
- 銀行が小切手の情報を確認し、支払いを実行する
- 支払いが終わると、小切手は振出人の銀行口座から当該金額が差し引かれる
- 全ての処理が終了した後、銀行は小切手を不渡り処理するか、または受取人の口座に入金する
注意点として、小切手は発行日から一定期間内に銀行に提示されなければ、その有効性を失います。また、小切手の処理には銀行営業日を通じた時間がかかりますので、週末や祝日をまたぐ場合は特に注意が必要です。
復習問題
問題
以下の2つを仕訳してください。
1.商品200円を販売し、代金は小切手で受け取りました。
2.備品を200円で購入し、支払いは小切手を振り出して払いました。
回答
1.現金200/売上200
2.備品200/当座預金200
(補足)同社振り出しの小切手を受け取ったとは? 【同社振出小切手】
例「A社に商品10を販売し、代金は同社振り出しの小切手で受け取った。」という問題の場合
同社振り出しの小切手とは「A社」が振り出した小切手ということです。平たく言うと、A社から当社に渡された小切手です。
初めて見た場合は焦るかもしれませんね。
(補足)自己振出小切手とは?なぜ現金勘定ではないの?
「商品を100で販売し、代金は自己振出の小切手を受け取った。」の仕訳を教えてください。
自分が振り出した小切手が戻ってきたということです。
すると、小切手は自分が持っているため、当座預金が減ることはありません。
一方で、小切手を振り出した時に以下の仕訳をしています。
例えば仕入れの場合は
仕入100/当座預金100
したがって、当座預金のマイナスを取り消す必要があります。
よって、自己振出小切手を受け取ったときは、現金ではなく「当座預金」勘定を使うのです。
答えは、「当座預金100/売上100」ですね。
「現金100/売上100」ではありません!
(補足)その他の注意点
記載した科目や金額はあくまで例ですので、実際の会計処理では取引内容や金額に応じた正確な仕訳が必要です。
また、小切手を振り出した日と現金化された日が異なる場合は、それぞれの日付で仕訳を分けて行います。
まとめ
小切手を受け取ったときは「現金」、支払ったときは「当座預金」勘定を使いましょう。
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